スケールを練習する意味って?実は楽器が上達する一番の近道かも

こんにちは!クラリネット奏者の安藤綾花(@matsuricoffee)です。

早速ですが、みなさん!なぜスケール(音階)の練習をすると思いますか?

先輩がしているから?
先生にやりなさいと言われたから?
指を早く動かすため?

いろんな理由があるはずですが「何のために〇〇の練習をしているか」をよく考えたことって、実はあまりないのではないのでしょうか。

何のためにスケールを練習するの?

私はどの生徒さんにも必ずスケール練習をするように伝えていますし、楽器をやられているほとんどの方はきっとスケール練習をしていますよね。

持ち替え楽器(フルートとサックス)も練習していますが、ロングトーンをし大体の指使いも覚え、奏法も安定してきたので、スケール練習を取り入れています。

楽器によって
・鳴りやすい音・鳴りにくい音が違う
・特定の音だけ音程が下がってしまったり上がってしまう
・音域によって音質が大きく変わってしまう

これらを無くし、すべての音が均等に並ぶようにひとつひとつの音と向き合います。スケール全調できるようになるころにはどの音もスムーズに操れるようになっているはず。

スケール練習をするときには「指を早く、スムーズに動かすための練習」だけではなく「すべての音が均等に並ぶように」練習するのがひとつのポイントだと私は考えます。

例えば、モーツァルトが作曲した「クラリネット協奏曲」。ほとんどがスケール(とアルペジオ(分散和音))で出来ているのです。スケールが上手に吹ければこっちのもんです…!笑

どのようにスケールを練習するか?

それでは、今日はハ長調を練習するとします。

移調楽器の場合は、自分の楽器のドレミファソラシドだと思ってください。(クラリネットの場合は実音B♭-durになります。)今までのスケール練習よりもかなり時間がかかると思います。じっくり焦らず、ついてきてくださいね!

1.隣同士の音を比べてみよう

①ドの音を自分が出せる一番いい音で吹きます。
もしドレミファソラシドの中でドよりもいい音が出る音があったら、その音から始めてもいいです。

②ド(はじめに出した音)を吹いてスラーでつなげたまま、レ(次の音)を吹いてみます。
自分の耳を使ってこの二音をよーく比べてみましょう。どうですか?

音量や音色、音の抜け方…同じように聞こえますか?

テンポはこれらが確認できるくらいのテンポが良いです。あまり早くても聞き取れないので、4分音符60、一つの音に2拍程度かけます。(メトロノームはかけなくてもいいです。)

もし自分の耳で判断するのが難しかったら、友達に聞いてもいいし、録音したものを聞いても助けになります。

③チューナーを使って音単体の音程もチェックしてみてください。

④ドとレの音の間にも注目。
音と音の間に違う音が入ってしまっていないか、レの音になった瞬間に引っ込んでしまってないか・飛び出てしまってないか、などより滑らかにつながるようによくよく聞いてください。

そうしてドとレが均等に並ぶようになったら、「ドレ」の上りパターン、「レド」の下りパターンも練習します。

2.音を増やす

次に、ドとレとミまで、スラーでつなげて練習します。上記と同様に、この3つの音が均等に並んでいるか、上に挙げた様々な観点からよく聞きます。

「ドレミ」「ミレド」の上り・下り両パターンを練習します。

3.スケールを全部吹いてみる

1と2を繰り返して副音を増やし、スケールの一オクターブ分を終えたらドレミファソラシドを上って下って吹いてみましょう。

これまでの過程と同様に、スラーでゆっくり。この時にはメトロノームもつけて、正確に指が動くようにも気を配ります。
また、指の動かし方も音に影響します。振り下ろすように強く穴を塞いだり、指を上げたりするのではなく、一番ストレスなく動かせる動作を研究して下さい。

自分の耳でもよく聴けるようになり、音が均等に並んできたと思ったら少しづつ速くしてみてください。テンポを上げても今まで出来ていたことが実現できているかをよく聴きます。

自分の耳で聴くことが大事

この3ステップだけですが、ひとつひとつの音とじっくり向き合うので、今までしていたスケール練習よりも遥かに時間がかかると思います。

また、全調やることで、どの音からどの音への行き来もスムーズになります。楽器によって、調によってやりやすい調・やりにくい調がありますからね…。私もフルートやサックスではまだ四苦八苦しています。

何より大切なのが「自分の耳でよく聴くこと。

指使いさえ間違えずに息を吹き込めばある程度の音は鳴ってくれますが、いい音が鳴るかどうかは自分で作っていくしかありません。自分の音は今どういう状態なのかな?と客観的に聴けるスキルは、楽器上達に欠かせません。

もちろんスケール練習以外でも、耳は常にフル稼働させなくてはいけないのですが、自分の耳を育てるという意味で、スケール練習から意識してみるとわかりやすいと思います。

高級な真珠のネックレスのように、音のひとつずつが同じ大きさで並んでいるように。きらきらと輝く一音一音で出来たスケールが吹けるように、私も日々自分の音をよく聞いて練習したいと思います!一緒にがんばりましょう!

■おすすめのスケール教本についてはこちらの記事をどうぞ「おすすめのクラリネットのスケール教本

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