「写真家ドアノー/音楽/パリ」展へ

「写真家ドアノー/音楽/パリ」展へ足を運んできました。

フランス・パリを舞台に1930年代から活躍し、現在もその作品が愛される写真家ロベール・ドアノー。写真家生活の中で、たくさんの音楽家と出会い、影響を受けます。「流し」の舞台である下町のビストロや酒場。街に音楽があふれる様子、人々の生活に音楽が溶け込んでいる様子を多く残しました。

会場ではシャンソンの代表曲「枯れ葉」がうすくかかり、その作詞を手がけたジャック・プレヴェールを撮った作品も多数。マリア・カラスのレコーディング風景や、学校でオルガンを弾くメシアンに生徒たちが集まる様子など、音楽ファンにはたまらない著名な音楽家たちの自然な姿をとらえた作品群はとても見応えがありました。チェリストであり、俳優のモーリス・バケとの作品は思わずくすっと笑ってしまう、ウィットに富んだもの。

また、フランスを代表する楽器メーカー「ビュッフェ・クランポン」のクラリネット工房の様子を収めた写真が何点も。1935年に製造されたクラリネット本体も展示してあり、クラリネット奏者にとってはたまらない、貴重な展示でした。

ドイツに長い間占領されていたパリが開放された後、人々が街で踊り、うたい、音楽を奏でる様子を見ていると、私たちが今置かれている世界的に困難な状況から開放されたとき、また大きく新たな文化の発展があるのかもしれない、と希望を持つことができる気がします。

ドアノーが愛用していたカメラ、ローライとライカの表現力に驚いた展示でもありましたが、いつかライカを持ちたい、持ってまた旅に出よう、と心に決めたのでした。

3月末までの開催なので、ぜひお早めに足を運んで下さい。

「写真家ドアノー/音楽/パリ」展

2021年2月5日(金)〜3月31日(水)※会期中無休
10:00 – 18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土は21:00まで(入館は20:30まで)

Bunkamuraザ・ミュージアムにて

一般:1500円
大学・高校生:700円
中学・小学生:400円