こんにちは!クラリネット奏者のまつり(@matsuricoffee)です。
クラリネットの「ド」と、ピアノの「ド」が違うって、ご存知でしたか?
一般的に使われているクラリネットは、B♭管(ベーかん)と言って、ベーの音が「ド」とされています。べー管よりも小さなEsクラリネットはエス管といって、エスの音が「ド」とされています。
…ちょっと待って、ベーとかエスって何?
「ベー」「エス」、これらはドイツ音名といわれるものです。
私達が普段何気なく使っている「ドレミファソラシド」は「イタリア音名」。ちなみに日本音名(とはあまり言わないけれど)「はにほへといろは」です。ハ長調、ト短調、という呼び方はここから来ています。
「ドレミファソラシド」にはアルファベットの「CDEFGABC」が振り分けられており、主にコードを読む時にアルファベット読みを用います。
最初にも述べたように、クラリネットの「ド」、ピアノの「ド」。楽器によって「ド」の音が違うことがあります。吹奏楽部で「ドの音を出して」というと、楽器ごとに違う音が出てしまうので困ってしまいますよね。そこで使うのが、ドイツ音名です。
ドイツ音名の読み方
クラリネットだけでなく、トランペットやサックスなどもベーやエスが「ド」なので、これらの楽器を移調楽器というのですが、ピアノのドレミファソラシドに対して違う音がでるためそう呼ばれます。なので、基準はピアノのドレミファソラシドになります。
ドイツ音名とその読み方は
ド:C(ツェー)
レ:D(デー)
ミ:E(エー)
ファ:F(エフ)
ソ:G(ゲー)
ラ:A(アー)
シ:H(ハー)
となります。
♭(フラット)がつくときは、文字尾に”es”が付きます。
Ces:ツェス
Des:デス
Es:エス
Fes:フェス
Ges:ゲス
As:アス
B:ベー(これだけ特殊なので注意!)
#(シャープ)がつくときは、文字尾に ”is”がつきます。
Cis:ツィス
Dis:ディス
Eis:エイス
Fis:フィス
Gis:ギス
Ais:アイス
His:ヒス
鍵盤に書いてみるとこんな感じになります。
クラリネットに当てはめると…
クラリネットのドレミファソラシドに当てはめてみましょう。
クラリネットはB(ベー)管なので、「ド」が「B」になります。
ド:B(ベー)
レ:C(ツェー)
ミ:D(デー)
ファ:Es(エス)
ソ:F(エフ)
ラ:G(ゲー)
シ:A(アー)
となります。
イタリア音名とドイツ音名の使い分け
ドイツ音名は主に「実音」(実際になっている音)に対して使われます。
上にも書いたように、吹奏楽部やオーケストラの合奏時は、移調楽器がたくさん集まっています。
チューニングの時に「ラ」の音を出して下さいというと、様々な音程の音が出てしまい、チューニングになりませんよね(笑)そこで「A(アー)」の音を出して下さいというと全員が同じ音を出すことになります。
この使い分けは、特に吹奏楽が盛んな日本独自の習慣といわれることもありますが、実際のところどうなんでしょう…
クラリネットの中だけで話す時は、クラリネットの記譜上での「ドレミファソラシド」、つまりイタリア音名で話します。ですが、Es(エス)管であるエスクラリネットも一緒に練習する際は注意が必要ですね。
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