クラリネット奏者が、クラリネットをつくっています。




こんにちは!クラリネット奏者のまつり(@matsuricoffee)です。

このブログを書くのは久しぶりです。主にTwitterに生息しているのでそちらを見てくださっている方はご存知かと思いますが、現在カナダはバンクーバーに住んでいます。

もともとバリスタの仕事がしたくてこちらに来たのですが、2ヶ月ほど前からクラリネット工房でクラリネットを作る仕事をしています。(笑)

(笑)とつけてしまいたくなるほど、自分でもなにそれ?どういうこと?という感じなのですが、文字通り、クラリネットメーカー(Backun Musical Services)の工房がバンクーバーにありまして(正確に言うとバンクーバーの隣の市になります)、そちらで採用していただきました。

その前は希望通りローカルカフェでバリスタとして働いていたのですが、9月にコンサートがあったため日本に一時帰国しなくてはならず、その旨を伝えたところ(と言っても採用前から伝えてあったのですが)シフトに入れてもらえなくなり、生活ができない状況になってしまっいました。その後も違うカフェで働くことができたのですが、なんとなくしっくりこず。私の英語力の足りなさもあり、コーヒーのことを深く充分に学べる状態ではなかったのも事実でした。

Cragslistという、賃貸情報や不用品の売買、仕事の採用情報などが掲載されている、いわゆるなんでも掲示板があり、そこに「Barista」と打ち込み検索する日々でしたが、やっぱり時々は「Musician」「Clarinet」「MusicTeacher」などと検索することも。もちろん、そんな募集はほとんどなく、あってもPiano teacher, Guitaristの募集ばかり。

でもある日突然、Clarinetでヒットした採用情報があったのです。

日本にいたときからもちろん知っていた、とても美しいクラリネットをつくる会社でした。カナダにあるのは知っていましたが、こんな近くにあるなんて。しかも募集をかけるなんてまさか思ってもみませんでした。

今までバリスタ用に作っていたレジュメをさっそく作り直し、何度も何度も推敲したメールを送りました。募集要項に「音楽家である必要はありません」と書かれていたので、私がクラリネット奏者であることは加味されないだろうし、まず面接の連絡が来たときは本当に嬉しかったです。

コーヒー飲みながらほとんどコーヒーのことかもしくは世間話、というカジュアルなカフェの面接ばかり受けてきたので、人事部の方のオフィスに通されたときはド緊張…。しかも面接官はスーツ着てるのに私はGジャン羽織ってるし…(後に、面接官であるエスターは私のことをとても気に入ってくれました。)

面接後、トライアル(実際に数時間お試しで働いてみること。カフェでもときどきありました。)を受け、無事に採用していただきました。
実際にクラリネットを作っているところは見たことがなかったので、工房を案内していただいたときは本当に感動して、もうその時には、バリスタの仕事よりも、こっちの仕事がやりたい!と強く思っていました。

そんなわけで、いまクラリネットの製作に携わっています。30人程度の従業員しかいない小さな会社で、みんな穏やかで優しい、すてきな人たちばかりです。
募集要項に書かれていたように、音楽家、ましてやクラリネット奏者はいないので(アマチュアとして市民バンドで演奏している人や昔スクールバンドで楽器をやっていたという人はちらほら)、社長のモーリーはいつも私のことを気にかけてくれ、日本での事業の話をしてくれたり、どんな技術でどうアプローチするのかを見せてくれたりもします。

私のあだ名の由来でもある私の楽器は違うメーカーであることは、ここでは大きな声では言えませんが(笑)、先日はバレル(楽器の一部分)を限りない在庫の中から時間をかけて選ばせてもらったりと、いたれりつくせりな環境です。

また、クラリネット奏者である私にとって、だけではなく、ひとりの働く人間にとっても労働環境が非常によく、大学卒業してからずっとフリーランスだったので、いわゆる初めての定職で、こんな経験をしてしまったら他で働けなくなるんじゃないか…とも思っています(笑)まだまだ慣れないので、帰宅後はベッドに倒れ込む毎日ですが、今までとはまた違う形で四六時中クラリネットに触れています。

(先日日本からいらした三界先生、ドルチェ楽器の大迫さん、同僚のTakさんと)

今までずっとやってみたかったことに挑戦しようと、今年の5月にカナダに来ました。バリスタの仕事をすること。海外で仕事をすること。
ひとつめはカナダでは叶いませんでしたが、本当にやりたかったら日本で挑戦できることに気が付きました。また、バンクーバーのコーヒー従事者とのたくさんの出会いを通して、コーヒーに対してもっと違う形で関わりたいとも考え始めました。(これについてはまた違う媒体で書くと思います。)

どれだけクラリネットが好きなのか、しかもつくる、というアプローチの仕方をするなんて、と自分でも驚き、なかば呆れていますが(笑)、結局はクラリネットから離れられませんでした。

永久的にカナダに住むかどうかは今のところ考えていませんし(ただ、めちゃくちゃ住みやすいので心は揺らいでいる…)、日本に戻って演奏のお仕事をこれからもします。ただ、今はちょっとお休みをして自分を拡げていく期間として、バンクーバーで生活をしています。

仕事のことだけではなく、音楽も、英語も、写真も文章も、生活の仕方も、思考も、たくさん学んで吸収して、またステージに立った時に、魅力的な音楽をもつアーティストになるために。

今までと違った発信が増えていくかと思いますが、これからも応援していただけたら嬉しいです!